睡眠の質の向上に効果があるハーブ

夜、なかなか眠られないでお酒を飲んだり、たばこを吸ったり、スマホを見たりして、睡眠で悩んでいませんか。睡眠は健康な生活を送る上で大切なことです。そこで、睡眠の質の向上に期待されるハーブを5つ紹介したいと思います。

1.ジャーマンカモミール

2.リンデン

3.オレンジフラワー

4.パッションフラワー

5.バレリアン

この5つのハーブの共通点は、鎮静作用があるため、心身をリラックさせます。それぞれのハーブの特徴を紹介します。自分自身に合うハーブを探してみてください。

1.ジャーマンカモミール

  学名:Matricaria chamomilla

  和名:カミツレ

  科名:キク科

  使用部位:花部

世界中で最も親しまれているハーブティー。童話「ピーターラビット」にも、興奮した疲れたピーターに母親ウサギが一杯のハーブティーを作ってベッドに運ぶシーンができます。精油成分のα‐ビサボロールには優れた鎮静作用があるため、心身をリラックスさせたいときに使用します。

2.リンデン

  学名:Tilia europaea

  和名:西洋ボダイジュ

  使用部位:花部、葉部

  科名:アオイ科(シナノキ科)

リンデンの葉は鎮静、発汗、利尿の3つの働きがことからヨーロッパでは古くから、高血圧や不眠に使用されてきました。リンデンの精油成分が放つ甘い芳香は不安や興奮を鎮め、心身の緊張を和らげます。この目的ではオレンジフラワーとのブレンドが有名でハーブティーや入浴剤に使用されます。

3.オレンジフラワー

  学名:Citrus aurantium

     科名:ミカン科

  使用部位:花部

開花時のオレンジの花のつぼみを乾燥させたもので、風味の良い香りとわずかな苦みを持ちます。精油成分としては酢酸リナリルやリナロール、ネロール、d-リモネンの他に特に微量な成分でアントラニル酸メチルを含みます。ドイツでは大人でも子供にでも心因性の不眠などにハーブティーとして使われています。リンデンとのブレンドが有名です。

4.パッションフラワー

  学名:Passiflora incarnata

  和名:チャボトケイソウ

  科名:トケイソウ科

  使用部位:地上部の全草

向精神性ハーブに分類されますが、作用が穏やかなため小児や老人、更年期の女性などにも安心して使えます。科学的研究によれば精神的な緊張やそれに伴う不眠を改善します。ドイツでは、精神安定や不眠にレモンバームやバレリアンとブレンドして使用されます。

5.バレリアン

  学名:Valeriana officinalis

  和名:西洋カノコソウ

  科名:スイカズラ科(オミナエシ科)

  使用部位:根部

鎮静作用に優れ、不安や緊張を和らげ、興奮を鎮める働きが広く知られています。ただし、悪臭がするので、保管や使用量には注意しましょう。 他のハーブとのブレンドがおすすめです。

鎮静作用を増強させる可能性があるため、鎮静剤を服用されている方には注意が必要です。

まとめ

西洋医学で使われている医薬品は、元々ハーブから抽出され、合成されたものがほとんどです。ただし医薬品と違って単一成分ではなく、いろいろな成分が含まれています。それぞれの成分の相互作用で全身に働きかけます。そのため副作用の心配がありません。今回紹介したハーブも大人から老人、子供まで幅広く使えます。ジャーマンカモミールは、世界中で使われている健康に対して広範囲に使うことができます。ただし万能薬ではありません。健康を目的にしたものなので、不眠がひどい場合、ハーブで効果がない場合は、かかりつけ医にご相談ください。